FDA Warning letter(CMS Case #527994):OTC(米国):OOS調査;品質部門;施設の設計;コンポーネントの試験
FDA Warning letterを紹介します。今回の対象会社は、米国のOTC製造施設です。指摘は、1)OOS調査; 2)品質管理部門(QCU) ; 3)施設の設計; 4)コンポーネントの試験に関する4項目です。
WL#: CMS Case #527994
日付: 2018年2月28日
発行オフィス:Dallas
対象会社: Clover Custom Blending LLC(米国)
対象品: OTC医薬品(局所剤)
査察期間:2017年5月15日~17日
回答受理日:2017年6月7日
GMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm602039.htm
<指摘事項の解説>
1. バッチやコンポーネントの不明な不一致や失敗に関して、十分に調査していませんでした。(21 CFR 211.192)
この会社は、OTC(サンスクリーンローションSPF 30)のあるロットを出荷したのですが、製品の3つの有効成分は規格に合致していませんでした。原文には表が掲載されていますが、3成分とも”Super-Potent” になっています。
これは、「受託試験施設のエラーによるOOSである」と答えています。しかし、この会社は出荷前にOOSの根本原因の調査を開始していませんでした。
2. 品質部門(QCU)の責任と手順に関する手順書を作成していませんでした。(21 CFR 211.22(d))
この会社は、教育訓練、バッチ記録、回収、苦情、逸脱、調査など、OTC医薬品製造に関わる手順を確立しませんでした。品質部門は、バッチ記録とその他の必要な記録の完了を確認していませんでした。それについて、作業の各ステップのイニシャルと日付、収率計算、ラベルの見本、マニュアルや電子承認の署名などを例にあげています。
3. 汚染や混同を防止するのに必要な適切な区域を維持していませんでした。(21 CFR 211.42(c))
この会社は、同じ混合タンク、ミキサー、ホースを使って、OTC局所剤を製造しています。工業グレードの製品の製造に使用する装置と同じものを使用して局所用医薬品を製造していました。
ミキサーのモーターは、白色粉末で覆われて、黄色の液体の飛沫が観られました。原料計量用の秤は、工業用製品とOTC医薬品の製造に共用されていましたが、製品の切替え時にクリーニングをした記録はありませんでした。(“..)φ;これは査察官の観察を記録したものです。実際にクリーニングしているかどうかは書かれていません。
FDAは、OTC医薬品と工業製品の成分が汚染しないような分離を証明(demonstrate)していないと指摘しました。(“..)φ;最近、何回かこのような指摘を観ています。特にOTCメーカーで非医薬品も製造しているところは、製造場所の分離を再確認しておくとよいように思います。
4. 医薬品の各コンポーネントの同一性確認試験を実施しませんでした。また、供給業者の試験結果を信頼性を確立していませんでした。 (“..)φ;即ち、供給業者の試験結果(COA)の信頼性のバリデーションをしていなかったということです。(21 CFR 211.84(d)(1)&(2))
この会社は、OTCサンスクリーンのコンポーネントを各入荷毎に確認試験せず、製造に使用していました。また、供給業者の試験結果の信頼性のバリデーションもできていませんでした。単に、入荷したAPIのCOAのみを信頼して受け入れていたということです。(“..)φ;この指摘もOTCには多く見られます。注意しましょう!