FDA Warning Letter:局所剤(米国):水システム;逸脱調査;出荷判定
医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、米国の局所剤製造施設です。
指摘は、1)水システムの管理; 2)逸脱調査; 3)品質部門の出荷判定に関する3項目です。
WL#: NA
日付: 2018年3月7日
発行オフィス: DPQOIV, LA, CA
対象会社: Diamond Wipes International, Inc.(米国)
対象品: 局所剤
査察期間:2017 年5月8日~17日
回答受理日:2017年6月7日
GMP違反:3項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm600638.htm
<指摘事項の解説>
1.医薬品の規格を保証するように設計された製造および工程管理の手順書を作成しなかった。(21 CFR 211.100(a))
この会社は、水システムが製剤の製造に適した水を一貫して製造する能力を証明していませんでした。また、精製水と適切な微生物限度のUSPモノグラフを満たしていませんでした。
貴社が製造作業に使用した水は、14ヶ月の間に総菌数のアクションリミットを8回超えており、何度もアラートリミットを超えていました。しかし、この水システムの管理に関する調査をしていませんでした。勿論、CAPAもされていません。そして、Pseudomonas spp.、Burkholderia spp.、病原性のグラム陰性菌も単離されていました。
この状態の水を使用して、長期にわたり局所剤を製造していました。例えば、この品質の水で抗菌性およびニキビ治療剤を数ロット製造して出荷していました
この会社は、参考品を試験して陰性であったことを伝えています。しかし、微生物はロットに均一に分布しているわけではないので、これらのロットが汚染されていないことを保証するには不十分であると結論づけています。
2.バッチやコンポーネントの不明な不一致やバッチの不合格について、十分な調査を実施しなかった。(21 CFR 211.192)
2種類の医薬品(本文に提示あります)は、真菌のレベルが規格を有意に超えていました。この2ロットは、調査をせずに出荷されていました。
この会社は、初回の試験で酵母と真菌が不合格になりましたが、出荷前に再試験をして初回と同じ結果は認められなかったと回答しています。(“..)φ;OOSの手順ができていない例です。
3.コンポーネント、容器、栓、中間製品、包材、表示材料、医薬品の合否判定の責任と権限を有する適切な品質管理部門(QCU)を持っていない。 (21 CFR 211.22(a))
全ての分析試験を実施する前に、そして品質管理部門(QCU)のバッチの承認前に、 医薬品のロットを出荷していました。
例えば、” acne treatment pads lot 17B6160”は、2017年4月3日に出荷されていました。活性成分サリチル酸の分析試験が完了するのは、その4日後でした。(“..)φ:なんで出荷したんでしょう?
(“..)φ;これは医薬品システムの問題、中でも品質文化に関わる問題ですね。