FDA Warning letter 320-17-38(品質システム、手順書、データインテグリティ)

FDAのWarning letterが掲載されました。

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国のAPI製造施設です。

品質システムが構築されていないこと、手順書が整っていないこと、データインテグリティの問題があること、実施時点で記録していないことが指摘されています。

WL#:320-17-38
日付: May 11, 2017
発行オフィス: CDER
対象会社:Changzhou Jintan Qianyao Pharmaceutical Raw Material Factory(中国)
対象品: API
査察期間:2017年2月13日~17日
回答受理日:2017年3月に回答書を照査した。
CGMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm558917.htm

<指摘事項>

1.APIOの品質と純度の規格を満たすための活動も含め、組織、手順、工程、資源の包括的な品質マネジメントシステムを実施していなかった。品質に関係する活動を明確にし、文書化しなかった。

 この会社は、2016年8月まで合衆国に医薬を出荷していたにもかかわらず、品質に関連する手順を持っていなかった。2017年2月の査察の時点で、幾つかのSOPのドラフトを作成していたが、その手順を実施していなかった。

 

2.原料の受取、識別、隔離保管、保管、試験、取り扱い、承認または却下の適切な手順書を持っていなかった。

 たとえば、査察官が重要な原材料とサンプリング要件のリストを要求したときは、貴社は入荷品の試験とサンプリングの手順書を持っていないと伝えた。倉庫の従業員は、原料の取り扱い、サンプリング、試験を “自分の頭で"考えて行っていると説明した。

 

3.所定の規格や標準に適合することを保証するために実施された、全ての試験の完全なデータを含む試験記録を持っていなかった。

たとえば、査察官がロットの分析試験の監査証跡をレビューした結果、貴社は数日間にわたって同じサンプル一式を3回試験したことが分った。そして、3回目の最後の試験結果のみを、分析証明書を作成するために報告した。

 

4.適切なバッチ製造記録と作成して、実施と同時に記録していなかった。

たとえば、査察官は貴社の作業員が、とても疲れたときや値を忘れてしまった時に、新たなバッチ記録を作成するために、前回のバッチの工程パラメータの値を使っていることを見つけた。