FDA Warning letter −320−17−25(データインテグリティ)

このところ、FDAのWarning letterが続々掲載されています。追々、内容を紹介していきたいと思いますが、本日は安定性試験における「データインテグリティ」の問題が指摘された例を紹介します。

今回の対象会社は、中国のAPI製造施設です。

■ホームページアップデート日:2017/03/16
WL#: 320−17−25
日付: 2017年2月24日
発行オフィス: CDER
対象会社:Jinan Jinda Pharmaceutical Chemistry Co., Ltd.
対象品: API
査察期間:2016年5月30日~6月1日
回答受理日:2016年6月22日付
CGMP違反:3項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm546319.htm

<指摘事項の解説>

1.品質部門は、工場で製造したAPIがCGMPに適合し、品質と純度の規格をいたしていることを保証する責任を果たしていない。

品質管理試験室は、複数の不純物のOOSの結果を、正当性なしに無視した。たとえば、36ヶ月目の安泰性試験バッチのHPLCによる試験で、未知の不純物もピークが検出された。貴社は、分析を終了した。新しいサンプルの試験もOOSを示したので、マニュアルで再解析して、このピークを隠蔽した。試験室では、このピークを省略するように解析パラメータを設定している。ピークが省略されているため、品質部門は、安定性バッチと市場にある他のバッチが継続的に品質基準を満たしているかどうかを評価するための、完全な情報を提供されていない。 

(..)φ;この観察結果に関連して、以下の指摘が続いています。市場にあるバッチの情報が不完全で、品質が保証できない状態にあるため、観察事項は規制措置相当のクリティカルな結果となっています。

2.OOSの結果を適切に調査していない。

3.権限を与えられていないアクセスやデータの変更を防止できず、データの省略を防止する適切な管理が行われていない。