FDAの査察連携プログラム-2015年度医薬品のアクションプラン-

これから、Warning letterがまた増えていくのかな?…と、これは私の独り言です。Warning letterが減少傾向にあった一つの理由は、どうもレビューの段階でOAI分類を却下して、再分類していたようで、これをminimizeする方向にあるということは、結局そうなるのかな….

逆の解釈もあり得る。却下されるようなコンプライアンスの分類をしないよう、運用していくということかも…

どちらの解釈がより合理的かは、他の文書も確認する必要がありそうだ…ということで、自分自身は納得したのですが。

問題の文書は、

FDA Program Alignment Pharmaceuticals Action Plan FY2015

です。

この文書は、以下のアドレスからダウンロードできますので、詳しく知りたい方は原文をお読み下さい。

http://www.fda.gov/aboutfda/centersoffices/ucm416950.htm

ということで、ここでは私が個人的にメモしたいと思ったことだけ、概略を紹介することにします。

上記文書によると、今後ORA、CDER、CVMの査察に関する運用が大幅に変更されるようになりそうです。CDERとCVMは、査察官とコンプライアンス職員を把握していて、ORAは査察官に同行する研究者(微生物学者、化学者、エンジニア)を把握しています。この部門間での連携を強化するようですが、医療機器のセンターが入っていませんので、コンビネーションプロダクトはこの文書からは除外されています。

合衆国に輸入される医薬品の仕事でも連携しますので、日本にも関係してくると思います。

この三部門(ORA、CDER、CVM)は、コンプライアンス職員と査察官の訓練を共同で行うようになります。その目的は、専門の査察官と同じ技術的専門知識レベルを身につけることです。

三部門のコンプライアンス職員は、規制のコミュニケーション/措置のドラフト作成を協力して行うようになります。そして、コンプライアンス/規制措置も行います。

ORAは、会社(海外、国内とも)のリスクランクをアップデートして、会社のデータベースを正す予定です。

明確で、成果に基づいた、効果的に情報伝達される「コンプライアンスポリシー」と「規制措置」の戦略を確立するべきであるとしています。

2015年第3四半期中に、製品またはプログラム特異的な規制措置の基準と戦略を構築する予定です。それは、患者/公衆衛生の影響を考慮した業界の遵守の測定や、内外に透明性を高めた適切な情報伝達戦略を設定することも含まれます。

Compliance Program Guidance Manuals (CPGM) とCompliance Policy Guides (CPG)は、引き続き査察と規制措置に関する重要な文書であると思われます。

OAI(FDAによる公的な規制措置)の分類の却下や再分類の根本的な理由を判断するための分析を実施する予定です。

OAIのケースに焦点をあてて、共同でチームベースの医薬品の査察とレビューを試験的に行う予定です。この目的は、OAI分類の却下、再分類などを最小限にすることです。((“..)φ;今後OAIが増えていくと判断するのか、オフィスからの間違ったOAIの提案が多すぎることを戒めていると判断するのか?FDAのストラテジーの過去の経緯はどうだったのか?)

このパイロットは、ORAとCDER(CVM)で査察前のブリーフィングをすること、査察の早い時期に(査察中が望ましいと言っています)直接OAIの状況を情報共有すること、レビューの段階的な垣根を無くして効率化を図ることなどが含まれるようです。2016年年度には、パイロットモデルができあがると思われます。

リコールツールを効率的に用いて、CDERとCVMがクラス1リコールのプロセスを開始するようになります。

IT関係についても書かれていて、データの共有化が迅速になりそうです。特に、海外医薬品製造業者でOAI分類されたEIRは、電子化することが具体的に書かれています。

ということで、メモ書きを終わります。