これはいい!新製品かな…

これはいい、新製品かな?と思ったら、すでに販売しているとのことだ。

vessel washer lite

一昨日、バスレス溶出試験器で有名な日本バリデーション・テクノロジーズを訪問した。社員の勉強会の講師に招かれて「PIC/S GMP」の基礎知識について講演させてもらった。今回は、2日間の勉強会の第1回目である。

普通、機器の販売会社はここまで勉強しないよね。さすが「バリデーション」と「テクノロジー」を冠する会社だけのことはある。顧客の目からは見えない社員の中身を大事にする会社だなと思った。本物…

で、思い出したのが、ディズニーランドの精神である。

いつ閑話休題を入れようか…と焦ってしまう(^_^;)

ディズニーランドの蝋人形(ルーズベルト大統領)の話だが、本物のルーズベルトは足が悪くサポーターをつけていたそうだ。そして、ディズニーランドの蝋人形にもサポーターがついている。ズボンの下についてるので、ゲストが見ることはできない。サポーターが無くても見た目は変わらない。しかし、そこがディズニーの本物志向である。それと同じ精神をこの会社からは感じる。

いよいよ閑話休題。勉強会の前にラボを案内してもらった。こじんまりしていて、ちょうど品管の機器分析室みたいな寸法だった。そこに置かれていたのが新製品かな?と思った「Vessel Washer Lite」だ。正式名が横文字で、日本語名は、なんとカタカナで「ベッセルウォッシャーライト」。それなのに国産である。

イタリアのデザイナーが烏口を引いたわけではない。お世辞にも洗練されたデザインとは言えない。なんというか、コロンとした感じだ。

価格を抑えてコンパクトに、且つバリデーション(これは装置のバリデーションということだろう。PIC/S GMP的には(EU GMPを先取りして)クオリフィケーションと言った方がいいかもしれない)とクリーニングバリデーションを意識した機能本位の作りである。

上位機種の外国製に比べて、価格は3割、寸法は半分といったところだろうか?狭い日本の試験室、製品数・製造ロット数の少ない会社には、ありがたいバリデータブルな国産機である。ただし、コロンとしている。

ソフトやアプリケーションノウハウは外国仕込みで、販売とサービスは日本のおもてなし精神で、本物志向の向学心をもった、こういう会社が国産装置を開発してくれると少し安心できる。

ほめすぎに聞こえるかもしれないが、誠心誠意の会社である。この会社を創業当時から見てきたが、製品にも顧客にも社員にも、誠心誠意で尽くしているという意味で、私の知る限りではこの会社の右に出る会社はない。お金で買えない何かをもっている会社の、コロンとした装置を紹介しようと思ったのだが、紙面が足りなくなった。今日はこれで擱筆する。