EUGMP Chapter 2 「人員(Personnel)」が来年2月に改定される

EU GMP Chapter2 「人員」の改定ドラフト(2014年2月16日改定予定)

Brussels, 16 August 2013
EU Guidelines for Good Manufacturing Practice for Medicinal Products for Human and Veterinary Use Part 1
Chapter 2: Personnel

改定理由:ICH Q10で述べている「医薬品品質システム」の原則を統合するために変更した。コンサルタントのセクションを追加した。

(“..)φ:今まで製造と品質管理だけだった組織に、新たに「品質保証」と「品質部門」の言葉が加わりました。ヨーロッパの大半の会社が品質保証部または品質部門を持っていて、「医薬品品質システム」の活動の担い手だからだと個人的には解釈しています。「医薬品品質システム」の主役はもちろん経営者です。本文中ではSenior Managementと記載されています。これは単数形で書かれているので、上級経営者と訳しました。単数であることに注意しましょう。私たちが使っている「経営陣」という用語は役職の総称なので、責任の所在がはっきりしませんが、EUGMPでははっきりさせなければならないのでしょう。

施行予定日:2014年2月16日

原則:
・医薬品の正しい製造は、人を頼りにしている。
・このような理由から、製造業者が責任をもつすべてのタスクを実施する、十分な適格性が確認された要員がいなければならない。
・個人の対応責任は、個人に明確に理解され、記録されるべきである。
・すべての要員は、自分が関わるGMPの原則を認識し、必要に応じて衛生管理の指図も含め、初期の訓練と継続的な訓練を受けるべきである。  

一般要件:
2.1
・製造業者は、必要な適格性と実際の経験を有する適切な数の要員を有すべきである。
・品質マネジメントシステムの実施と維持および継続的な効果の改善をするために、適切な資源(人、財政、原材料、施設、装置)を選定し配置するべきである。
・どの個人に与えられる責任も、品質にリスクが及ぶほど広範囲にすべきではない。

2.2
・製造業者は組織図を持っていなければならない。製造、品質管理のヘッドと(適用可能なら)品質保証または品質部門のヘッドとの関係を2.5のポイントに照らして関係づけた組織図であること。
・QPのポジションは、管理階層組織の中で明確に示すこと。

2.3
・責任ある立場の人は、職務記述書に記載された具体的な責務(特定の任務)と、その責任を果たすための適切な権限を有するべきである。
・かれらの任務は、満足な適格性レベルの指定された代理者に委任することができる。
・GMPに関与する要員の責任には漏れがなく、説明のつかない重複がないものとすべきである。

2.4
・上級経営者は効果的な品質マネジメントシステムが施行され、品質目標が達成され、その役割、責任、権限が明確にされ、組織全体に情報伝達され、実施されていることを保証する最終的な責任を有する。((“..)φ;Senior managementは単数であることに注意しよう)
・上級経営者は、品質に関する会社の全体的な考えと方向性を述べた品質方針を確立するべきである。マネジメントレビューに参画することで、その品質マネジメントシステムの適切性と効果とGMPの遵守が継続していることを保証すべきである。

主要職:
2.5
・上級経営者は主要管理職を指名すべきである。その中には、製造のヘッド(製造部門長)、品質管理のヘッド(品質部門長)、もし少なくともそのうちの一人がArticle 51 of Directive 2001/83/ECに規定された義務の責任者でない場合、適切な人数、少なくとも一人のQPがその目的に指名されること。
・製造部門長および品質管理部門長は、互いに独立していなければならない。
・大きな組織では、2.6 および2.7に記載された機能の一部を権限委譲してもよい。
・さらに、会社のサイズと組織構造によっては、別々の品質保証のヘッドと品質部門のヘッドを指名してもよい。((“..)φ;いよいよQAがGMP条項に登場です)
・通常、セクション2.6、2.7、2.8に記載された品質管理のヘッドと製造のヘッドが共有するある種の責任に、そのような職務が存在するので、上級経営者は役割、責任、権限を明確にするよう注意すべきである。

2.6
・QPの職務は、2001/83/EC Article 51にすべて記述されていて、次のように要約できる:
a) EC(欧州共同体)内で製造された医薬品について、QPは各バッチが加盟国で施行される法律を遵守し、販売承認に従って製造され、試験・検査されたことを保証しなければならない(注2);
(b) 第三国から来た医薬品の場合、EUで製造された製品かどうかにかかわらず、加盟国内で各製造バッチの(少なくとも全ての有効成分の定性分析および定量分析の実施;医薬品の品質が販売承認に一致していることを確認するために必要な全ての試験やチェック)が実施されたことを、QPは保証しなければならない。QPは、作業が実施されて、出荷前に各製造バッチがArticle 51の規定を満たすことを、登録または同等の文書にて認証(certify)しなければならない。
・これらの職務に責任を有する者は、同指令のArticle 49 (注3) に規定された適格性の要件を満たさなければならない。彼らは、永久且つ連続的に販売承認所有者から自由な立場で(束縛されることなく)その責任を遂行すること。

<脚注省略>

2.7
旧2.5が2.7になった(以下、2.5→2.7)だけで内容的に変更なし。

2.8
(2.6→2.8)
・Quality Control Department→Quality Control(Departmentが削除された)
・iiが削除された。すなわち「バッチ記録の評価」という責任が品質管理のヘッドの責任からから削除された。

2.9(2.7→2.9)
製造部門長および品質管理部門長、もし関係するなら品質保証のヘッドまたは品質部門のヘッドは、とくに品質マネジメントシステムの計画、効果的な実施、モニタリングとメンテナンスを含む、品質に関する責任をある部分共有または共同で行使する。これらは、各国の規則に従って、次のことを含めてもよい:
1)~6)変更なし<省略>
7)契約製造業者およびその他GMP関係の外部活動の提供者の承認と監視と;
8)~11)変更なし<省略>
12)工程能力、製品品質、品質マネジメントシステムのマネジメントレビューに参加し、継続的な改善を指示する;
13)タイムリーで効果的な情報伝達と適切なマネジメントのレベルに品質の問題を引き上げプロセスを保証すること。

訓練:

2.10(2.8→2.10)内容変更なし<省略>

2.11(2.9→2.11)GMPの理論と実践の基礎訓練の他に品質マネジメントシステムの訓練が追加された。<省略>

2.12(2.10→2.12)内容変更なし<省略>

2.13(2.11→2.13)内容変更なし<省略>

2.14(2.12→2.14)
・医薬品品質システムの概念とその理解と実行を向上させることのできるすべての方法が、訓練セッション中に十分話し合われるべきである。

職員の衛生管理
2.15(2.13→2.15)内容変更なし<省略>

2.16(2.14→2.16)内容変更なし<省略>

2.17(2.15→2.17)内容変更なし<省略>

2.18(2.16→2.18)内容変更なし<省略>

2.19(2.17→2.19)内容変更なし<省略>

2.20(2.18→2.20)内容変更なし<省略>

2.21(2.19→2.21)内容変更なし<省略>

2.22(2.20→2.22)内容変更なし<省略>

コンサルタント
2.23 新規追加
・コンサルタントは依頼されたテーマに対して、適切な教育、訓練、経験、またはそれらの組み合わせを有するべきである。
・名前、住所、適格性、コンサルタントが提供するサービスのタイプを記述した記録を保管すべきである。