Warning letter(320-19-08):中国のOTC;クリーニングバリデーション;品質監督;出荷判定試験;安定性試験プログラム

FDAのWarning letterが掲載されました。
医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国のOTC医薬品製造施設です。

指摘は、1)クリーニングバリデーション; 2)品質監督; 3)出荷判定試験;4)安定性試験プログラムに関する4項目です。

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WL#: 320-19-08
日付: 2018年12月14日
発行オフィス: CDER
対象会社: Hangzhou Guoguang Touring Commodity Co., Ltd.(中国)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2018年4月17日~20日
回答受理日:2018年5月11日
GMP違反:4項目
掲載サイト:
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm628942.htm
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<指摘事項の解説>

1.この会社は、装置のクリーニングとメンテナンスの手順書を作成し、それに従わなかった。(21 CFR 211.67(b))

この会社は非専用装置で製品を製造しています。しかし、洗浄手順が製造された製品間の交叉汚染を適切に防ぐことを証明するクリーニングバリデーションを実施していませんでした。またFDA査察官は、非医薬品の製造に使用する装置でOTC医薬品を製造しているのを観察しています。

この会社は、バリデートすることを回答していますが、適切な情報や裏付けとなる文書を提供していません。〔(“..)φ;そのため、不適切な回答と判断されたと思われます。〕FDAは、同じ装置で製造を継続することを受け入れませんでした。

2.この会社は、適切な品質部門を構築していませんでした。(21 CFR 211.22(a))

品質部門は、全ての試験とレビューを完了する前に、OTC医薬品を出荷判定して、出荷したため、部門の権限を行使できていませんでした。 さらに、規格を満たさないOTC医薬品を承認して出荷していました。

たとえば、セールスマネージャーは受託試験施設からOOSの試験結果を提示されましたが、そのまま品質部門のレビューを通さずに、そのバッチを承認して出荷しています。
また、品質部門は会社が分析結果を受け取る前に、バッチを出荷判定して、出荷しています。
〔(“..)φ;OOSの製品を市場に出しているので、いわゆるCriticalの観察事項になります。〕

3.この会社は、各バッチの出荷判定前に試験室での規格適合の判定をしていませんでした。さらに、好ましくない微生物の試験も実施していませんでした。(21 CFR 211.165(a)&(b))

4ロットが試験をしないまま、米国のサプライチェーンに供給されたことを観察しています。さらに、OTC医薬品は◯が存在しないという規格です。 しかし、最終製品でその試験は行われていませんでした。
〔(“..)φ;文脈から想像するに、◯は微生物名または群と思われます。〕

4.この会社は、適切な安定性指標試験プログラムを文書化していませんでした。(21 CFR 211.166(a))

簡単にいうと、安定性試験プログラムに欠陥がありました。安定性プログラムはあるようですが、そのプログラムは有効成分の分析を含んでいませんでした。

この会社の回答では、有効期間と保管条件を決めるために、十分な安定性調査を実施するとしています。また、アメリカへの流通を停止すると回答しています。しかし、現在市場にある製品については、その措置が講じられていないと言っています。
〔(“..)φ:いつも思うのですが、ここが抜けてしまうんですね。〕