FDA Warning letter(320-18-41):API(インド):OOS;データインテグリティ(試験室記録)
医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。
今回の対象会社は、インドのAPI製造施設です。指摘は、1)OOSの結果処理; 2)試験室記録の保管(データインテグリティ)に関する2項目です。
WL#: 320-18-41
日付: 2018年3月15日
発行オフィス: CDER
対象会社: Keshava Organics Pvt. Ltd.(インド)
対象品: API
査察期間:2017年5月25日~31日
回答受理日:2017年6月20日
GMP違反:2項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm602671.htm
<指摘事項の解説>
1.OOSの結果を適切に調査して、是正処置を行いませんでした。
この会社のOOS結果に関する調査は不十分でした。
たとえば、複数のケースで、再試験に基づいてオリジナルのOOS結果を無効にしてしまいました。しかし、結果を無効にするための「フェーズ1」の試験室調査が欠けていました。
(“..)φ;即ち、フェーズ1の試験室調査をせずに再試験をして、その結果だけでオリジナルのOOSを無効にしたわけです。ラボエラーにしたので、当然フェーズ2の調査はしていませんね。警告書は、この会社がしばしばフェーズ2の調査を欠いていたことを指摘しています。ラボエラーで済ませてしまい、本来しなければならないフェーズ2調査が実施されていなかったということでしょう。
警告書は、「貴社はまた、潜在的な根本原因について製造作業の評価をするための、フェーズ2の調査をしばしば欠いていた」と述べています。
2.試験方法の完全な試験室管理記録を維持していませんでした。
この会社では、試験して合衆国に出荷したAPIの完全なデータを保管していなかった例がいくつか観られたようです。たとえば、その化合物の確認試験のサンプル重量、標準品と試薬のバッチ/ロット番号、装置の識別、完全な薄層クロマトグラフィーのデータがない試験シートを査察官が確認しています。