GMPを勉強しよう-58-データインテグリティの教育訓練?

データインテグリティのSOPをどのように作成していますか?教育訓練が入っていますか?

少し気がかりなことがあります。FDAのドラフトガイダンス(Q&A)は、質問番号16の"Should personnel be trained in detecting data integrity issues as part of a routine CGMP training program?" (定期的(routine)なCGMP訓練プログラムの一環として、担当者はデータインテグリティの問題を検出する訓練を受けるべきか?)という質問に次のように答えています。

“Yes. Training personnel to detect data integrity issues is consistent with the personnel requirements under §§ 211.25 and 212.10, which state that personnel must have the education, training, and experience, or any combination thereof, to perform their assigned duties."

訳解すると:

「YES、はいそうです。
データインテグリティの問題を検出するトレーニングの担当者は、人は割り当てられた職務を実行するための教育、訓練、経験、またはその組み合わせを有すると述べているセクション211.25と212.10の人の要件と一致すること。」

と答えています。

業者監査や自己点検の担当者は、どんなトレーニングを受けたらいいのでしょうか?FDA査察官のように、専門的なトレーニングを受けることができればよいですが、大企業はさておき、なかなかこのようなトレーニングは受けられませんね。

そこで提案です。

FDA Warning letterやFDA-483 の指摘事項を、2つの切り口から見ていくことをお勧めします。

1)自社に同じような事例はないか?
これは、よく皆さんが実施している方法です。実際にそのような事例があれば是正しようという狙いです。

これで、業者監査・自己点検の担当者のトレーニングになるでしょうか?ちょっと疑問が湧いてきます。

2)この事例をFDA査察官はどのように見つけたのか?
このような切り口からも考えることをお勧めします。より突っ込んで、何を調べたらよいのか、どのようにインタビューしたらよいのかなど、イメージが湧いてくると思います。

ここで考えたアプローチを、データインテグリティの教育訓練テキストにしていくと効果的なトレーニングをすることができると思います。

それでは、問題を1問出しますね。以下の指摘事例をFDA査察官はどのようにして見つけたと思いますか?