FDA査察の結果(その4)
事前に、査察に対する万全の準備をしておきたいものです。「そんなことはわかっているが、会社が許さない」、「投資する予算がない」、「忙しくてやってられない」など、いろいろ事情がありますね。わかります。本当にわかります。しかし、指摘されてしまえば、その後のフォローアップは事前の対応に比べて、投資コスト、時間的コスト、機会損失コストを合わせると、圧倒的にコスト高になるはずです。会社は費用対効果でコンプライアンスも考えがちです。それを全面的に否定するつもりはありませんが、費用計算は上記の他に、目に見えない信頼性回復のコストも入れて、検討することが望まれます。
とはいえ、会社勤めの身ですから、効率を考えて、ある程度のリスクを許容して対応することになりますね。そこで、優先順位をつけて取り組むことにしたいものです。
そのために、日本企業がどのような指摘を受けているか、すなわち日本企業の弱みを調べて、その領域に優先的に対応するとよいと思います。FDAは、企業ごとの指摘事項も報告していますので、そこから日本企業の指摘事項を確認してみました。指摘事項は、FDAのInspections Citations Datasetsの2006年~2012年のデータです。