GMPを勉強しよう(深堀りGMP1)
「深堀り」とは言ってみたものの、それほど深くないなと感じました。やや深堀りって、変な表現ですね。どうしよう。
何を述べたいかというと、「GMP要件の解釈のプロセス」をたぐり出したいということです。それを繰り返すことによって、最終的にGMPの勉強のしかたが伝わるといいなと思うわけです。教育訓練の関係者の方に役立ちそうな内容にしたいという気持ちです。
それって、水平展開じゃないですか。
そうかも知れません。深掘りというより、解釈のための根拠をさがし出して、情報や知識の量を増やしていくうちに正解(よりよい解)にたどり着くってことを考えると水平移動ですね。根拠の中には、深読みしないと腑に落ちないものもあるかもしれません。そうなると、深さが出てくるかもしれません。
例えば、「手順書」と「手順書等」の意味は断然違うわけです。
ややこしくて読み飛ばしたいようなGMP省令の記述もありますね。注意深く読んでみないと、誤解してしまう可能性があります。
例えば、第十一条の二(安定性モニタリング)の第一項には、「三 第一号の…」、「四 前号の…」、「五 前各号の…」と記載されていますが、これは順に「第3号 第1号の…」、「第4号 第3号の…」、「第5号 第1号、第2号、第3号、第4号の…」と読み替えて要件の範囲を特定するわけです。
以前から同じ考えなんですが、記述を変えたところもありますね。これも、変更部分を注意深く読んで、何を期待しているのか察する必要があります。
例えば、「逸脱の概念」に関するGMP事例集の[答]の記述は、2013年度版のGMP15-2 から2022年度版のGMP15-1 で、次のように変化しています。
2013年度版:「製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法に係るすべての逸脱」について当該条項が適用されることとされている。
2022年度版:「【医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書に定められている事項に限らず、】製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造 管理及び品質管理の方法が【期待される状態が保たれていない場合」を逸脱としている】。(【 】内の文章が変更されている。)
逸脱の定義に関する解釈ミスがよほど多く見られたのでしょうね。当局は「この範囲の逸脱に適用するよ」と言っていたのですが、「逸脱ってこういうことですよ」と説明しなおさなければならなかったんでしょうね。
逸脱については、またの機会に解釈してみたいと思います。
さて、このように思いをめぐらせてみると、ちょうど良さそうな語呂のよい枕詞が見当たりません。とりあえず、ちょっとはずかしいですが、「深堀りGMP」と仮に呼ぶことにします。
GMPの勉強のしかたが伝わるといいな。そんな願いを込めて、口語体で随筆風に綴っていこうかなと思います。不定期で。