ヒューマンファクター思い込み

現場を見ることの大切さ、質問のしかたの大切さを学んだエピソードです。Q&Aは、背景に人的要因、いわゆるヒューマンファクター、を意識しながら聞く、考える、話す(答える)ことが必要だと思いました。

まだサラリーマンをしていた頃の話ですので、随分昔のことになります。

ある会社から電話があり、機器が動かないと相談がありました。私は其の機器の専門家ではなかったのですが、ある程度の知識はありましたので、話を伺いました。

考えられる問題をひとつひとつ質問していきましたが、全て問題なさそうでした。かれこれ30分ぐらい話をしていましたが拉致があかず、その会社に出向くことにしました。1時間ぐらいかかるところでした。

電話を切る前に、「最後にもう一度だけ、最初から確認していきませんか」と言うと、快く了解してくれました。

「それでは、まずコンセントを入れて」と言うと、「コンセント入っていませんでした」と返事がありました。そこからはご想像どおりです。問題なく解決しました。

お互いコンセントを入れてないなんて考えていませんでした。ちょっと大げさですが、思い込みは恐ろしいなと感じました。

FDAやEMAがこう言っているのは、有名な話ですね。
曰く、「コンピュータを過大に信用するな。」
曰く、「ラッキーな3回かもしれない。」

GMPのQ&Aでは、思い込みによる誤解が結構多いですね。それを避けるには、問題の範囲や背景を明確にして、証拠ベースで話すことです。