Warning letter(320-19-07):OTC(韓国):原材料の受入試験;分析法バリデーション;プロセスバリデーション;安定性試験プログラム

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、韓国のOTC医薬品製造施設です。

指摘は、1)原材料の受入試験;2)分析法バリデーション;3)プロセスバリデーション;4)安定性試験プログラムに関する4項目です。

WL#: 320-19-07
日付: 2018年12月13日
発行オフィス: CDER
対象会社: Soleo(韓国)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2018年8月6日~9日
回答受理日:2018年8月23日
GMP違反:4項目
掲載サイト:
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm628847.htm

<指摘事項の解説>

1.この会社は、医薬品のコンポーネントの同一性を検証するための少なくともひとつの試験を実施しませんでした。 また、これらの供給業者の試験の信頼性のバリデートもしていませんでした。(21 CFR 211.84(d)(1)&(2))

ジェントルセラピーシャンプーOTC医薬品に使用される原薬やコンポーネントを含む原材料の同一性、力価、その他の品質試験が実施されませんでした。 代わりに、供給者の分析証明書(COA)を信頼して、受け入れていましたが、適切なバリデーションをしていなかったということです。

この会社は回答書を出しましたが、そこには詳細な試験手順、実施予定日、実施までのアクションプランを示していなかったため、不適切と判断されました。

2.試験法の真度、感度、特異性、あなたの会社はその試験方法の正確さ、感度、特異性、室間再現精度を確立していませんでした。(21 CFR 211.165(e))

分析法のバリデーションですね。原薬の分析法がバリデートできていなかったと指摘されました。試験記録とHPLCのレポートは、同じ原薬の分析に異なるパラメータを記載していました。その例が、ビオチンの流量とインジェクション量で、伏せ字で書かかれています。

(“..)φ:パラメータの記述が異なることが、バリデートしていないことの直接の証拠になったのかどうかは、文面からは読み取れませんでした。

3.医薬品の同一性、力価、品質、および純度を保証するように設計された製造および工程管理の手順書を確立しなかった。(21 CFR 211.100(a))

(“..)φ:これはプロセスバリデーションができていないときに書かれるセクションです。

4種類の有効成分を含むOTC医薬品のPPQ(process performance qualification)を実施していませんでした。また、装置のクオリフィケーションも行っていませんでした。

(“..)φ:PPQは、プロセスバリデーションのデータを取るための行為です。日本のプロセスバリデーションとほぼ同じ行為と考えてもよいと思います。

FDAが期待する回答の中に、「バッチ内およびバッチ間の変動を定期的にモニタリングする取り組み」の記述があります。

(“..)φ:これは、プロセスバリデーションの基本要件です。

4.安定性試験プログラムを確立して実施していませんでした。(21 CFR 211.166(a))

そのため、ラベル表示された有効期間をサポートできていません。

この結果、FDAは2018年11月26日にImport Alert-66-40を出しました。