GMPを勉強しよう-94-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.17.1)

6.17.1 Archive(アーカイブ)

アーカイブは、「プロセスや活動の検証のためのデータやメタデータを長期にわたって保持する指定された安全なエリアや設備(例えば、キャビネット、部屋、建物、コンピュータ化システム)」と定義しています。

(“..)φ;ここではアーカイブを場所としています。「歴史的文書の保管庫」が元の意味で場所を指していますが、今は「文書」を指すこともあります。また、「保管する」状態を表す動詞としても使われています。「アーカイブする」という表現はよく聞きますね。オックスフォードやケンブリッジの英語辞典を見ると、いろいろな意味があります。ですから、皆さんが思っている「アーカイブ」はそれぞれ正しい解釈だと思います。ということで、議論はこのあたりでやめて、何をするのかに目を向けてみましょう。

アーカイブの記録はオリジナルの記録または「真正のコピー」で、発見されずに変更や削除ができないよう〔変更や削除は必ず発見されるよう〕に保護され、火災や害虫などの偶発的な被害から保護されるべきであると言っています。

アーカイブの準備は、データとメタデータが求める保持期間を通して復元と可読性があるように設計しなければなりません。電子データのアーカイブでは、このプロセスをバリデートします。また、レガシーシステムでは、データがレビューできることを定期的に検証します。これは、レガシーシステムの継続的なサポートを確認するということです。

(“..)φ;ちなみに「レガシーシステム」とは、最早時代遅れとなった旧いシステム
の総称です。

ハイブリッドの記録が保存されている場合、物理的記録と電子記録の間の参照は、保持期間を通してイベントを完全に検証できるように維持されなければなりません。

レガシーシステムが最早サポートされなくなった場合は、データにアクセスするために、そのソフトウェアを維持する必要があります。そのデータの保存期間に応じて、可能な限り維持しましょう。仮想環境にソフトウェアを維持することで可能です。

(“..)φ;旧いデータの中には、もうソフトが廃版になってしまったものもありますね。これには私も、結構困っています。過去のデータを他のソフトに変換できないため、しかたなく読み込み専用の旧いソフトを、PCに沢山入れています。それでもPCのOSが変わる時に悲劇が起こります。このような事のないように、アーカイブしたデータを維持して下さい。

レガシーデータの年数が増すと、データの「真正コピー」を代替フォーマットに移行する必要性が出てきます。オリジナルのデータ機能を完全に移行することが技術的に困難な場合、時間の経過に伴うデータのリスクと重要性をもとに、オプションを考える必要があります。移行ファイルのフォーマットの選定は、長期間のアクセシビリティと動的データの機能低下のリスクバランスを考慮すべきであると言っています。例えば、データの取り調べ、傾向分析、再処理などで、動的データの機能低下のリスクが解るようですね。

アクセシビリティを維持するために、ある属性や動的データの機能が失われてしまうファイルフォーマットへの移行が必要になることも認識されています。

(“..)φ;そうなりますよね。でもそのことは理解されています。すなわち、それは了解済みということです。「データ移行」のセクションも参考にして下さい。