GMPを勉強しよう-89-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.15)その2
6.15 Data review and approval(データのレビューと承認)その2
そして、多くのソフトがレポートをカスタムメイドできると言っています。そこで、重要なアクションをレポートに組み込むことが可能です。その時の条件は、それがバリデートされたもので、変更防止のためにロックされていることです。私たちは自動レポート作成ツールを使って、データのインテグリティを保証するのに必要なチェックを減らすことができます。
サマリーレポートが別の組織から提出された場合、データを受け取って使用する組織は、提供者のデータインテグリティの管理とプロセスを検証してから、その情報を使う必要があります。
(“..)φ;以下、日常的・定期的なデータレビューの注意点がリストされています。
・ 日常的なレビューでは、各々のデータセットのインテグリティを検討してください。例えば、「これは、この活動の一部として生成された唯一のデータか?」とか、「このデータは正しく生成されたか?正確に保持されたか?」とか、「未許可で変更された形跡はないか?」などに注意してレビューしましょう。
・ 定期的なレビューでは〔これはデータの定期的な監査のことですが〕、既存の管理方法が効果的であることをレビューして下さい。そして、全てのインターフェースで、即ちデータのやりとりの中で、未許可のアクティビティがなかったかを検討して下さい。例えば、「レビュー後にデータを訂正するIT部門のリクエストがあったのか?」とか「なにかシステムのメンテナンスをしたのか?その影響は評価されているか?」といったことです。
(“..)φ;定期的な監査は電子データのレビューの他に、幅広い体系的なレビューが必要だと言っています。日常的なレビュー(routine review)と定期的なレビュー(periodic review)は並べて書かれていることがよくあります。そのような文書の中には、表現が簡潔すぎて(私たちには)文脈が読みきれず、たまに混乱することがあるかもしれません。「ルーチン」を「定期的」と訳さないことがポイントです。「日常的」とか「定型的」とか「所定の」と訳してもしっくりいかないかもしれません。「ルーチンレビュー」は、私たちの作業や試験が終了した時に、記録をレビューしている場面を思い浮かべていただくとよいかもしれません。
(“..)φ;なぜこんな説明を入れたかというと、一般的には「定期的なレビュー」という言葉が使われているのですが、このガイダンスでは「定期的な監査(periodic audit)」という言葉を使っていたからです。「親切に書かれているな」と感心した次第です。