GMPを勉強しよう-77-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.7)
Recording and collection of data(データの記録と収集)
このセクションは、用語の定義はありません。データの記録と収集についての解釈が書かれています。
組織は、適切なレベルのプロセスの理解とデータの収集や記録に使用するシステムの技術的知識(これは能力、限界、脆弱性も含めて)を、持つべきであると言っています。
データの使用目的に合わせて、確実に収集、保持できる方法を選択しなさいと言っています。
(“..)φ;当然のことなんですが、言いたいことはそれだけではないようですね。
データの保持について、念押ししています。電子システムが動的に保管できる能力を持っている場合は、静的データ(プリント/マニュアル)を動的データ(電子)より優先して保持することは好ましくないと言っています。
(“..)φ;即ち、より適切な方法での保持も期待していると思われます。動的データで保持できるのに、静的データを優先するのはいかがなものかと言っています。禁止はしていませんが、このような言い回しに対して、私たちは”should”レベルで受け止めるほうが無難だと思います。乱暴に、簡単に言ってしまうと、「『電子ファイルで保存できるものを、我社は紙ベースで保存しています。もちろん電子データも残っていますよ。でもね、我社は紙の記録が正式なんです』というようなことはよろしくないですね」ということです。
(“..)φ;蛇足ですが、天秤のプリントアウトがありますね。または、本体に表示されますね。これは動的データで保持できません。ですから、プリントアウトやマニュアルでの記入(静的データ)での保持が受け入れられるケースです。
データにはその活動の完全な再構築ができることが求められるので、収集するデータの量と解析度(詳細の程度)を正当化しなければならないと言っています。
(“..)φ;収集したデータで、その活動が再構築できますね。それを正当化して、データの収集方法を決定しましたね、ということで。
また、ワークシート、試験ノート、製造管理記録などのブランクフォームは、管理すべきであると言っています。
(“..)φ;ワークシートや試験ノートは、カッコ書きでこれらのものも含めてという意味合いで例をあげていますので、これ以外も管理が必要です。どこまで管理するかは、リスクアセスメントである程度正当化できるかもしれません。ガイダンスを読むと、GxP活動に関わるデータを記入するブランクフォームは、全て管理するのが無難ではないかと個人的に感じます。このガイダンスでは、範囲を限らずにブランクフォームと言っていますので、例示に惑わされず、GxPデータを記入するブランクフォームと考えるとよいと思います。
ここで、その管理方法についてアドバイスしています。付番したブランクフォームのセットを発行して、使用が終了時に収支照合するとよいでしょう。また、綴じてページを付番したノートに、文書管理部門がスタンプを押して、正式に発行するとよいでしょう。これは、非公式のノートやページの欠落を検出することができるからです。
(“..)φ;このガイダンスでは、文書管理グループ(a document control group)としています。これは、一般的に品質保証部門の中の文書管理担当グループを指しますので、品質部門がブランクフォーム発行の責任を持つとよいと思います。下のスライドは、PIC/Sのドラフトガイダンスの発行管理の手順をまとめたものです。