FDA Warning letter (320-18-31)中国のOTC医薬品:微生物試験、確認試験、品質部門
今週は、FDAのWarning letterが3通掲載されました。そのうちの1通を紹介します。今回の対象会社は、中国のOTC医薬品製造施設です。指摘は、1)微生物試験; 2)原料等の確認試験; 3)品質部門の責任不履行に関する3項目です。
WL#: 320-18-31
日付: 2018年2月7日
発行オフィス: CDER
対象会社: Shanghai Weierya Daily Chemicals Factory(中国)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2017年4月10日~14日
回答受理日:2017年5月7日
GMP違反:3項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm597899.htm
<指摘事項の解説>
1.好ましくない微生物が存在しないことを求められる医薬品のバッチに必要な適切な試験をもっていなかった。(21 CFR 211.165(b))
この会社は、好ましくない微生物の試験をせずに製品を出荷しました。会社の手順書は、6ヶ月毎に1ロットを試験するようになっていました。そのため、製品の全バッチが規格どおりであるという科学的な証拠を持っていませんでした。
2.様々な供給業者からのAPIや添加剤などの同一性を確認しなかった。(21 CFR 211.84(d)(1))
入荷した添加剤などの成分(Component)を適切に試験していませんでした。全てのロットを試験して、仕様前に品質部門の承認を得なければなりませんが、入荷したAPIのロットのサブセットだけを試験していました。
3.原料、容器、栓、中間製品、包装資材、ラベリング、医薬品の承認却下の責任と権限を有する適切な品質部門を確立しなかった。(21 CFR 211.22(a))
品質部門が、その責任を果たしていませんでした。例えば、原材料、包材、ラベリングなどを、製造に使用する前に承認していませんでした。また、製品の出荷判定前にバッチ記録や●記録などのレビューをしていませんでした。