FDA Warning letter(320-18-27):OTC(台湾):出荷判定試験;原料受入試験;安定性;プロセスバリデーション

医薬品GMPに関するFDAの Warning letterを紹介します。

今回の対象会社は、台湾のOTC医薬品製造施設です。指摘は、1)最終製品の試験;2)原料の受入試験;3)安定性試験;4)プロセスバリデーション(PPQ)の4項目です。

この会社は、当該製品を化粧品として見ているようです。

例えばローションなど、一見化粧品のように思えるものも、米国では医薬品として規制されるものもありますので、注意したいですね。FDAのデータスタンダードプログラムを見るにつけ、今後、このようなOTCの査察が増すのではないかと感じています。


WL#: 320-18-27
日付: 2018年1月25日
発行オフィス: CDER
対象会社: Polaroisin International Co., Ltd
対象品: OTC医薬品
査察期間:2017年9月11日~15日
回答受理日:2017年10月6日
GMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm594413.htm


 

<指摘事項の解説>

1.最終製品のAPIの力価を試験しなかった。(21 CFR 211.165(a))

APIの確認と力価の試験を実施しないまま、OTCの最終製品を出荷していました。

この会社は、FDA-483 の回答書の中で「“cosmetics production standard”に従ってこのOTCを製造する」と述べています。この会社は、化粧品として見ているわけですが、米国では医薬品として扱われるため、CGMPを遵守しなければなりません。

2.供給業者からのAPIや添加剤を含む、原料等の同一性を保証しなかった。(21 CFR 211.84(d)(1) and (2))

様々な供給業者から入荷するAPIやその他の成分(components)の同一性確認試験をしていませんでした。さらに、各供給業者のCOAの信頼性のバリデーションを実施していませんでした。これらの供給業者の適格性評価もしていませんでした。

3.安定性試験によって支持された有効期間を保証しなかった。(21 CFR 211.137(a))

安定性データが無かったとの指摘です。この会社は、これからの是正処置について、契約試験機関を使用するようですが、今までの回顧的是正については、この警告書からは読み取ることができません。

また、FDAはこれからの是正処置に時間がかかることを懸念しているようです。

4.貴社が製造した製品の品質を保証するための、製造および工程管理の手順書を確立しなかった。(21 CFR 211.100(a))

PPQ、いわゆるプロセスバリデーションのためのデータ収集活動を実施していませんでした。プロセスバリデーションについては、FDAのガイダンスを参考にするよう勧告しています。また、工程管理プログラムもありません。