FDA Warning letter(320-18-04):中国のOTC 翻訳ミス?とPPQ
医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国の製剤製造施設です。FDAが求めるプロセスバリデーションの一部である “PPQ” を行っていないこと、継続的なベリフィケーション(モニタリング)を行っていないことが、具体的に指摘されていました。また、記録に翻訳ミスがあり、当該医薬品のAPIが不正だったものが出荷判定されていたようです。
WL#:320-18-04
日付:2017年10月30日
発行オフィス: CDER
対象会社:Guangdong Zhanjiang Jimin Pharmaceutical Co., Ltd. (中国)
対象品: OTC
査察期間:2017年5月15日〜19日
回答受理日:2017年8月16日付
CGMP違反:3項目
掲載サイト:
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm583939.htm
<指摘事項の解説>
1.全ての原料、容器、栓、中間製品、包材、ラベリング、医薬品を承認または却下する責任と権限を有する適切な品質管理部門(QCU)を確立していなかった(21 CFR 211.22(a))。
有効成分のハイドロコーチゾンを含む局所剤OTC医薬品を製造している。この製品で実際に使用しているAPIがデキサメタゾンアセテートであることを示す記録を、査察中に査察官がレビューした。APIが間違っていると査察官が質問したところ、これは翻訳ミスで、2つのAPIは同じ成分であると答えた。貴社の品質管理部門(QCU)は、不正な有効成分を含む複数のロットを米国向けに承認した。
2.医薬品の各バッチに対して、有効成分の同一性と力価を含む医薬品の規格の適合性を、適切に試験判定していない(21 CFR 211.165(a)) 。
貴社は、出荷判定および流通前に、医薬品の有効成分の同一性と力価の試験をしていなかった。
3.製造した医薬品の本質、力価、品質、純度を保証するための、適切な製造および工程管理の手順を確立しなかった(21 CFR 211.100(a))。
貴社は、医薬品を製造するために使用する工程をバリデートしていなかった。貴社はPPQを実施せず、安定した製造作業と医薬品の品質を一貫して保証するための工程管理のモニタリングプログラムを持っていなかった。