FDAのWarning letter(320-16-21)ペニシリン汚染防止

 

Man refusing an offer医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、イギリスのAPI製造施設です。

■ホームページアップデート日:07/20/2016
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WL#:320-16-21
日付: June 30, 2016
発行オフィス:CDER
対象会社:SmithKline Beecham Limited
対象品:API(ペニシリン)
査察期間:July 2–10, 2015
回答受理日:July 31, 2015
CGMP違反:2項目それぞれ3観察事項
掲載サイト: http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2016/ucm511838.htm
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指摘事項は2項目ですが、そのうちの1項目(ペニシリンの交叉汚染)について、まとめました。

1.ペニシリン製造専用区域から非専用区域への交叉汚染を防止するための手順または実践が適切ではない。

A)       ペニシリンの交叉汚染

非ペニシリン製造区域におけるペニシリンの検出が、2012年に69回、2013年に72回、2014年に30回、2015年7月までに16回あった。非ペニシリン医薬のペニシリンによる交叉汚染を防止するための貴社の施設と管理は、全く不適切である。貴社の回答書は、ペニシリンの除染方法の再バリデーションをすることを約束した。貴施設全体の汚染範囲の包括的な再評価、以前の除染効果とのギャップ分析、新規除染計画のコピーが欠けているため、貴社の回答は不適切である。

B)       ペニシリンの検出方法のバリデーション

貴施設で製造された非ペニシリン医薬中のペニシリンの検出方法は、異なるタイプのペニシリンを検出するためのバリデートがされていない。さらに、分析法のバリデーションの生データを見つけることができなかった。貴社は、オリジナルのバリデーションから方法を変更していた。

C)       ペニシリンのクリーニング方法のバリデーション

貴社は、全ての表面からペニシリンを除染するために、●を使っている。しかし、クリーニングバリデーションは、単に●の除去に効果があることを証明しているだけだった。貴社は、●の製造を中止していた。貴社は、クリーニングバリデーションを更新していなかった。また、●に用いたオリジナルの方法が、査察時点で製造していたペニシリン医薬にも効果があるかどうかを、証明していなかった。

FDAは、次のどちらかを約束しなさいと提案しています。

  • ペニシリンだけの専用施設:FDAはこれを強く勧めています(We strongly urge you to dedicate the facility to penicillin-only production.)。
  • 施設の完全な除染:FDAは、これを非常に難しいと言っています(It is profoundly difficult to completely decontaminate a facility of beta-lactam residues. )。

2.重大な逸脱に関する適切な調査とCAPAをおこなっていない。