GMPを勉強しよう-31-EMA査察の観察事項の格付けイメージ

はてなEU査察の観察事項は、個別にクリティカル(Critical)、メジャー(Major)、アザー(Other)に分類される。単純比較はできないが、日本流に言えばそれぞれ重大、中程度、軽微となるかもしれない。

ちなみにFDA査察は、個別の観察事項を分類せず、FDA-483で重大性の高い順に記載するルールとなっている。そして、工場全体をOAI、VAI,NAIと分類して、格付けする。

このEU査察でクリティカルになると、GMP証明書(GMP Certificate)の取り消しなど、欧州に輸出できなくなる恐れがある。

今までの履歴を見ると、クリティカルが無くメジャーが6件でこのような措置となった事例があった。ここからは乱暴な推測(個人的な想像)だが、クリティカル1件またはメジャー数件で、非遵守報告書(Non Compliance Report:FDA警告書に類似した報告書)が発行される可能性がある。

そこで、どのような観察事項がどの程度の格付けになるのかを知っておくことは、監査や自己点検を実施する品質部門にとっては重要なことだと思う。

観察事項はメルマガでも発信しているが、日頃「Non Compliance Report」を読んでおくとよいかもしれない。読み方で注意したいことは:

① 観察事項は、当局によって評価が少しばらつく。(FDAよりばらつきが大きいとよく言われている)

② FDA警告書に比べると簡単な説明なので、格付けの背景を詳しく把握できない。

③ 背景が分からないため、情報を誤解する可能性がある。

そのため、同じ観察事項でも評価がばらつくように感じるかもしれない。これは、事実なのか?それとも個人的な想像なのか?

「主観的に判断したり、一例をもって全てを判断する」ことのないように注意しなければならない。特に、外部に情報発信する人は、誤解を与えないように注意したいものだ。(^^)

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