Warning letter #320-13-17
5/28/13 RPG Life Sciences Limited
■2013/06/05 ホームページ掲載
web site http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2013/ucm355294.htm
WL#:320-13-17
Date:May 28, 2013
Company:RPG Life Sciences Limited
Office:CDER
◆ 錠剤(海外:インドの会社2工場)
2012年11月20~24日の査察。
2012年12月11日と2013年2月19日付で回答受理。その後の追加対応を2013年1月14日、2月6日、3月18日、4月9日に行っています。
CGMP違反MS-Ankleshwar工場4項目、MS-Navi Mumbai工場3項目
今回は1工場の指摘事項を掲載します。
◇MS-Ankleshwar工場
1. Your firm failed to thoroughly investigate any unexplained discrepancy or failure of a batch or any of its components to meet any of its specifications, whether or not the batch has already been distributed (21 CFR 211.192).
指摘内容:次のOOS結果の識別、報告、調査をしなかった。 a. 2012年5月6日の12ヶ月齢の安定性試験で規格外れがあった。 b. 2011年7月16日のAPIバッチ規格外れがあった。このAPIは最終医薬品のバッチの製造に使われた。 c. 2011年1月26日のAPI原料3バッチの分析で不純物の規格外れがあった。3バッチのAPIは13バッチの最終製品の製造に使用された。 d. 2012年10月10日の2ヶ月齢の安定性試験のクロマトに未知の顕著なピークが見られた。これらの事例は再分析され、合格した再試験結果のみを選択的に報告し、初回のOOSデータを無視し、調査を行わなかった。
FDAが期待する対応:FDA-483の回答で回顧的に調査を行い、OOS結果の原因をサンプルの希釈エラー、HPLCオートサンプラーのエラー、時間が経ったサンプル溶液の使用、バイアルの汚染と仮説を立てた。しかし、貴社の回答は不適切である。なぜなら、貴社の回顧的調査は文書化、生データ、仮説を裏付ける科学的証拠が不足している。貴社はサンプルの重量、調製、希釈に関連する記録を保管していなかった。このレターの回答に、有効期限内の全最終製品と保存期間中の全ての原料の試験データの包括的なレビューを行ってください。貴社が調査を実施しなかったすべてのOOS結果の概要報告を提示しなさい。
2. Your firm failed to follow required laboratory control mechanisms and to record and justify any deviations from them (21 CFR 211.160(a)).
指摘内容:たとえば、OOS結果の調査手順書はサンプルの再試験をOOS調査の一部としている。この手順は、フェーズ1試験室調査中に新たなサンプルの再試験をする前に、割り当て可能な原因を決定するためにオリジナルの試験液の再分析を求めている。またOOS調査の開始と文書化を迅速に行うとともに、すべてのサンプル、希釈液、関係するプリントアウトの保管を求めている。貴社は○○錠剤バッチの関連物質の分析複数回2012年5月10日と12日に実施した。そして、2012年5月13日に新たなサンプル溶液のセットで再度分析を繰り返し、この試験結果のみをCOAに報告した。さらに、貴社はこれらすべての試験を調査または記録せず、SOPの要件を無視してサンプルの重量と調製に関する生データを破棄した。
FDAが期待する対応:FDA-483の回答で、貴社は回顧的調査をおこない、OOSの原因をそれぞれ機器の通信エラー、スタンダードおよびブランクのインジェクション不足、ピーク分裂と考えた。しかし、何がピーク分裂を起こしたのか説明していなかった。さらに、これらの現象を記録しなかったか、記録しかなったことを正当化していなかった。
3. Your firm failed to ensure that laboratory records included complete data derived from all tests necessary to assure compliance with established specifications and standards (21 CFR 211.194(a)).
指摘内容:貴社はHPLC分析サンプル重量およびサンプル溶液調製の生データ保管していなかった。さらに、最終分析値の計算にこれらの結果を含めなかった。かわりに、翌日新たなサンプル溶液を使って分析を繰り返し、その結果のみをCOAに報告した。
FDAが期待する対応:FDA-483の回答で、貴社は回顧的調査をおこない、分析者がHPLCのレギュラーホルダーに入れず「トライアルホルダー」に初回のデータを間違って記録したと結論づけた。そのため、彼は翌日同じサンプル溶液を使って試験を繰り返した。しかし、QCマネージャーは査察中に、初回のインジェクションはトライアルで、正式な分析の前に実施したトライアルの標準品とサンプルの分析は、QC試験室の標準的な実践であると述べていた。さらに最終的なQCワークシートの我々のレビューで、貴社が新たな再試験サンプルを2012年7月19日に調製したことが明らかになっている。これは、貴社がトライアルのインジェクションをした翌日だった。
4. Your firm failed to exercise appropriate controls over computer or related systems to assure that only authorized personnel institute changes in master production and control records, or other records (21 CFR 211.68(b)).
指摘内容:例えばAPIのロット○○を2011年2月14日午前2時55分に分析した後、午後2時05分に新たなサンプルを使って再試験した。貴社は初回の試験の生データを保管していなかった。
FDAが期待する対応:貴社の回答で、貴社はオリジナルの分析データを削除したために、再試験をしたと述べた。貴社は分析者が管理者のパスワードを誤って使ってしまい、監査証跡にログのデータを削除して上書きしてしまったと結論付けた。分析者が電子分析データを変更や削除することが可能であることは、貴社の施設における試験室管理の重大な懸念事項である。