FDAのQ7 API GMPとPIC/S GMPのPart IIの違い?
FDAのQ7 API GMPガイダンスの改訂版(2016年9月発行)が出たことは、このブログで紹介しました。ところで、どこが変わったのでしょうか?
ざっと見たところでは(詳しく読んでいません)、内容の変更はあまりありません。実際に私たちにとっては大きな影響はないように思います。(^_^)
もしPIC/S GMP(やEU GMP)と比べたら、内容的には以下の点が違います。
1)ICH Q7は、「品質リスクマネジメント」のセクションがない。EU GMPのPart IIのセクションは、ICHQ7のAPI GMPガイドラインに、EU圏内で必要な品質リスクマネジメントを追加しています。PIC/S GMPは基本的にEU GMPをフォローしています。
ICH Q7においては「品質リスクマネジメント」を述べていませんので、要件ではありません。しかし、例えば「コンタミのリスクを最小限にする」などの記載がありますので、「品質リスクマネジメント」のプロセスを導入しなくてもよいとは言いきれません(歯切れが悪いです)。
2)ICH Q7は”Regulatory applicability”の項目がある。この項目は、PIC/S GMPのPart IIにはありません。ちょっと変なのは、EU GMPのPart II(EudraLexのVolume 4を参照した場合は)は目次に”Regulatory applicability”を入れているものの、本文にはありません(もしも単純なミスなら直してほしいなと個人的には思います)。
FDAの改訂版が、明確に改訂内容を述べているのは:
・今まで"Q7A"と表記していたものを"Q7″に改めたこと;
・セクション番号を文末に記載したこと
の二つです。
…EU向けにはEU GMP派?国内・アメリカ向けにはICH派?そして、日米EUではないPIC/S 加盟機関の国ではPIC/S GMP派?フーッ、ややこしいですね。…
FDAガイダンスの詳細(本文)は、これから精読していきます。結果は時間の無駄になるかもしれませんが、もし特筆すべきニュースがあればこのブログで報告します。