教育訓練担当者養成講座3:教育訓練責任者の業務の要件

ざっとこんな感じだろうか。筆が進むままに教育訓練責任者の業務を書き出してみました。気まままに書いているので、優先順位、重大性、頻度などは無視しています。

後で査察の焦点になるような目のつけどころについても考察してみようと思いますので、その時に重大性や優先順位を整理してみます。今のところ収集しやすい指摘事例の情報は、FDA発信のものです。GMP省令から少しずれるかもしれませんが、入手できる公開情報が少ないので、この点はご容赦ください。

1.GMPで定められた教育訓練責任者の業務
a. 教育訓練を実施する内容を熟知する。
b. 教育訓練の実施記録の作成と記録の保管(GMP省令19③)。
c. 製造管理および品質管理に関する必要な教育訓練の計画と実施(GMP省令19①)。
d. 教育訓練はGMP概論(関係法令)、衛生管理論〔GMP関連〕、品質方針、品質目標、管理体制、医薬品品質システムの概要を含む.
(19①関係逐条解説②)
e. 各職員の実務に関する教育訓練を実施する。(19①関係逐条解説②)
f. 教育訓練の実施状況を品質保証部門と製造管理者に報告(19①)。
g. 教育訓練の実効性を定期的に評価し、必要に応じで改善を図り、記録を作成して保管する(19④)。

〔 〕:個人的な補足を追加したものは〔 〕に入れました。

私が個人的に選定した重要ポイントは、「計画的に実施する」(19①)と「実効性を評価する」(19④)の2つです。この2つは、ブログの中で書き続けていくことになります。

さて、リストした内容(a~g)について、補足の説明をしていきましょう。どの様にすれば、雑音の入らない補足になるでしょうか。そうですね。GMP省令の逐条解説と事例集、より補足が必要な場合のPIC/S GMPを根拠にするといいでしょう。

「それ以外にも沢山あります」と勉強家の方は思うかもしれません。最先端の知識や新説、ある専門家の好み、具体的なテクニックなど、いろいろな情報が入ってきます。しかし、GMPを解釈するときは、一旦それらの知識は横においておきましょう。GMPの「直接的な要件」と「より良い実践」とは、分けて理解する必要があります。これを一緒くたにすると、後で苦労することになります。

その他所要の措置があります。これは、GMPの直接要件ですね。条文に書かれていますから。これは入れておいてもいいです。一般的には業界標準など、当局発出のガイダンスからの情報が役立ちますので、上述の文書(省令、逐条解説、事例集、PIC/S GMP)の他に、指針とPIC/S GMPの"Aide Memoire"やガイダンスを補足根拠にするとよいでしょう。

幅広く紐解くときは、情報に流されないように注意しましょう。今私が調べているテーマは何かを念頭に、ぶれないようにしてくださいね。

<補足説明>
c. GMP省令19①の要件は、「計画的に実施する」がキーワードです。スケジュールを立てる、すなわち予定表を作成することではないですね。「計画的に実施する」とは、教育訓練責任者が定めた訓練プログラムに基づいて実施することです(19①関係逐条解説③)。これは、教育訓練責任者(以下責任者という)が、教育訓練プログラムの策定、必要に応じて改訂、拡充することです。さらっと読み流すことのできない、とても重要なポイントです。突き詰めていくと各部門長との打ち合わせや人材育成方針などの理解が必須になります。

(つづく)