これは今日のテーマということではなく…:コミュニケーションセンター

ある人にハウツーを伝えたいのだが、僭越なので、ここにしたためておくことにする。このブログを見てくれているといいなと思いつつ。独り言なので、丁寧語は使わない。

品質確保に関する全責任(対応責任、説明責任)は、経営者にある。品質確保の具体的な問題は現場で発生する。この間には幾層ものコミュニケーションギャップがある。たとえ経営者が心機一転し、品質確保を第一義と心に決めても、現場が急に変化するだろうか。

経営者が現場に足を運び熱く語ったとして、現場は今までの慣行を急に変えるような心理状態になるだろうか。「話には表と裏がある」、「口では言っているが本音は違う」、「その通り動いたら叱責されるのではないか」と不安は尽きない。このような不安は、本人が現場で体験して「そうじゃなかった。本当なんだ」と納得するまで残るだろう。経営者が願ったような品質確保の活動につながるのは、この不安を払拭した後である。

このコミュニケーションギャップは簡単には埋まらないが、どうしても埋めなければならない。そのためには、各階層を貫く太い高速なコミュニケーションルートを構築して、うまく稼働させる必要がある。その役割を担うのがミドルである。(とても重要な役目なので、現場担当者よりも給料が高いはずだ。)

組織力強化の基本三原則を思い出してほしい。

言いたいことはここまで。後は、いい加減な散文で紙面を散らかしてお終わりにしたい。

例えば会社のチームワークあるいはガバナンスでもよいが、それを目に見える範囲で分解していけば、最終的に一対一のコミュニケーションになる。個別のコミュニケーションの連続、延長、集合がチームワークやガバナンスを形成し、組織の目的達成につながる。

ここでの話は、例えばチームワークの精神に関することで、具体的な人の心理状態や物理的な活動に関することは除く。例えばある人がこの取り組みには反対だとか嫌だという心の状態であったとする。しかし、チームのために、会社のために、全力を出して一緒に取り組んでいこうとする状況を精神と言うことにする。(結局この話はブログには書かないのでいらなかった。)

上方の図は、2日間の研修プログラム「組織経営の基本三要素」の一部として作成した。レジュメの作成日は2003年5月21日なので、もう20年前の原稿になる。この研修の話が目的ではないので、この図にまつわる結論だけ述べておく。

チームで言えば監督者(管理者‐「監督者」‐現場担当者)あるいはガバナンスでいえばミドルマネジメントは、組織経営における「コミュニケーションセンター」の役割を担う。コミュニケーションセンターとは、神経ネットワークのシナプスのようなもので、コミュニケーションのジャンクションに当たる。すなわち中継点であり、調整点である。組織の中間に位置するミドルは、組織のコミュニケーションが円滑に機能するための重要な役割を担い、コミュニケーションの中心的存在であり続けなければならない。

以下は、その役割と留意点である。

1.コミュニケーションセンターの役割

(1)組織内の報告・連絡・相談・指示・命令を迅速かつ確実に行う

(2)会議・打ち合わせ等で建設的な結論を導き、協同一致の支援を行う

(3)コミュニケーション円滑化のための環境作りを行う

(4)変更に関する管理を行う

(5)よき相談相手となる

2.コミュニケーションセンターの留意点

(1)的確;情報は的確であること

(2)明確;内容はわかりやすいこと

(3)適宜;TPOにあっていること

(4)柔軟;理解力と許容力があること

(5)友好;友好的にコミュニケーションが図れること