FDAガイダンス要旨:契約製造の品質契約②

B. 契約製造と品質マネジメント:既存ガイダンス

パラグラフ1(90~102)

  • Ÿ 製品所有者と契約施設の役割と責任に関して記載している重要ガイダンス;
  • FDA’s guidance for industry Cooperative Manufacturing Arrangements for Licensed Biologics provides additional information regarding the responsibilities of licensed biological product manufacturers and those of contract manufacturers.
  • ŸICHQ7は製造業者が契約業者のCGMP遵守を評価することを提案している。方法は、CGMPの責任を記載した正式な契約書、品質測定(quality measures)、施設の監査などがある。所有者は製造業者の責任の一部を実施する他の関係者を採用することができ、品質システムはマテリアルやサービス、品質規格の責任、情報伝達メカニズムを明確に記述した品質契約を求めている。
  • ICHQ9は、監査と供給業者の品質契約による供給業者と契約製造業者の包括的な評価を提案している。

パラグラフ2(104~122)

  • ICHQ10はアウトソーシングの管理とレビューは、特に契約施設にアウトソースされた活動の管理と購入した原料の品質を保証するためのプロセスが実施されていることを確実にすることは、最終的に「医薬品会社」(このガイダンスでは所有者のこと)の責任であると述べている。ICHQ10はこれらのプロセスが品質リスクマネジメントに組込まれ、以下の重要な活動を含むべきであるとしている:
  • 外部契約者の製造作業を実施する前に、所有者は特定の供給業者と契約書の対象である製品またはサービスのために必要な管理の程度を評価するリスクレビューを実施すべきである。そしてこのリスクをもとにして、管理(oversight)の適切性を査定し、見込み契約施設の適合性と能力を評価するために行動すべきである(例えば、監査、原料の評価、クオリフィケーション)。
  • 所有者と契約施設は、関係者の品質関連の活動に関する責任と意思疎通(情報伝達)プロセスを明らかにすべきである。そして、所有者と契約施設の間で契約書を交わすべきである。
  • 所有者は契約施設の実績をモニタリングし、レビューすべきである。そして、必要な改善を特定して、実行すべきである。
  • 製造作業を実施するすべての会社は、入荷原材料が同意済みのサプライチェーンを使った承認済みの供給元からきたことを保証するためにモニタリングすべきである。

パラグラム3(124~128)

  • 品質マネジメントの原則は契約製造にも及び、FDAは契約製造作業に関与する者に品質マネジメントの実践を期待している。
  • このガイダンスは上述の品質マネジメントの原則と提案を積み上げて、契約製造の取り決めを結んで実行するためのキーポイントを説明することを意図している。

 

4. 品質協定における契約製造の取り決めの文書化

  • 所有者が契約施設に医薬品の製造、加工、包装、保管、試験の全てまたは一部を求める場合、CGMP規則(21 CFR 200.10(b) と21 CFR 211.22(a))は医薬品の承認および却下(出荷可否の判定)の最終責任を、所有者の品質部門が有するものと規定している。
  • さらに21 CFR 210.2(b) のもと、契約施設はかかわる作業に適用されるCGMPを遵守しなければならない。
  • CGMPは所有者と契約施設に、契約製造の取り決めのなかでそれぞれの責任を記載することを明確には求めていないが、品質部門の責任と手順を文書化することを明らかに求めている(21 CFR 211.22(d) )。
  • したがって、所有者と契約施設は契約製造の取り決めにおいて、品質契約書を作成しそれぞれの責任を記録することをFDAは提案する。
  • 次のセクションは、品質契約における責任の同意文書に関するFDAの現在の方針を述べている。同様に品質契約の基本要素も述べている。

—(“..)φ;ということでこれからが本番じゃないですか!ここまでお疲れ様でした—-

 

A. 品質契約とは?

  • 品質契約とは、CGMP対象の医薬品の契約製造に関与する各社の品質部門の義務と責任を、明確に確立した包括的な同意書である。
  • 通常、品質契約は各社が実施するCGMPの活動を明らかにすべきである。(21 CFR 210, 211, 600-680, 1271、その他が適用される。(“..)φ;最近コンビネーションプロダクトのCGMPも出ましたね←そのうち要点をまとめなければ(^_^;)トホ)
  • 品質契約は商業またはビジネス契約ではない。ビジネスの期間や条件、秘密保持、価格やコストの問題、納入期日、負債限度や損害賠償などは記述しない。
  • FDAは品質契約を商業的な契約書から分離した文書、少なくとも分離できるものであることを提案している。
  • 各社の品質部門の代表者および利害関係者が、品質契約のドラフト作成に実際に参画することを提案している。
  • 普通FDAはビジネス文書や契約書を要求したりレビューしたりしないが、品質契約の証拠文書(または品質契約の不足)は日常的にレビューする。

B. 品質契約の要素

パラグラフ1(168~188)

  • 所有者と契約施設の役割と責任を記載した品質契約書は、CGMP(原薬はICHQ7)のサブパートをたどり、適用可能なCGMPの責任を全てカバーしていることを確実にすべきである。
  • よく検討された品質契約は明確な言葉で、重要な品質の役割と責任を規定し;期待する情報伝達を設定し;両者の契約のキーポイントを示し;契約施設が所有者に提供する製品やサービスを特定し;いろいろな活動の最終承認者(品質部門や他の利害関係者)を決めている。
  •  殆どの品質契約は次の基本セクションを組み込んでいる:
  • 目的/適用範囲
  • 期間(発効日と失効日を含む)
  • 論争の解決
  • 責任(コミュニケーションの機能と窓口担当者を含む)
  • 変更管理と改訂
  • 目的と適用範囲は、契約サービスの性質に大きく依存する。
  • 品質契約に用いられる条件の同意は、ドラフト作成中の重要ステップである。
  • 実際の製造中の誤解や人のエラーの可能性を減らすために、所有者は契約施設の条件と手順を受け入れることを考慮するとよい。
  • 品質契約の関係者は、契約施設が製造の逸脱を所有者に伝える方法とその逸脱を調査、記録、解決する方法を説明した情報伝達計画を含めるべきである。
  • 論争の解決の規定も含めるべきである。

パラグラフ2(190~192)

  • CGMPの観点から品質契約の最も重要な要素は、それぞれの責任と変更管理の議論を詳細に説明しているセクションである。
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