GMPを勉強しよう-82-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.11.2)
True copy(真正コピー)
真正コピーとは、オリジナルの記録と同じ情報を持っていることが検証(verified)されたコピーのことです。文脈、内容、および構造を記述するデータを含む、同一の情報を有することが確認された元のレコードのコピー(使用されたメディアの種類にかかわらず)(すなわち、日付付き署名または検証済みプロセスによる生成) 、オリジナルとして。
(“..)φ;コピーの媒体の種類にはこだわっていません。紙でも、電子でもよいということです。オリジナルと同じ情報について、含めるべき例を括弧書きしています。それは文脈、内容、構造などです。真正コピーのキーワードは、”verified”だと個人的には思います。それは、日付入りの署名によって、またバリデートされたプロセスで生成されたことによって検証されると言っています。
真正コピーは、必要ならオリジナルの記録と異なる電子ファイル形式で保存してもよいと言っています。
(“..)φ;これって、電子ファイルだけ?と思った方もいらっしゃるかと思います。僕は一瞬そう思いました。しかし考えてみれば、電子データを紙の真正コピーで記録するのは、労力と資材において非現実的ですね。紙を電子ファイルにするのは、PDF化がありますので、これはありですね。ということで、電子ファイルだけになったのではと、個人的に想像しました。
真正コピーは、オリジナルと異なる電子ファイルで保存してもいいのですが、データの完全な意味を保持し、その履歴が再構築できることを保証するために必要なメタデータと監査証跡を維持しなければならないと言っています。
(“..)φ;メタデータと監査証跡の維持は必須要件ですから、真正コピーのキーワードですね。
オリジナルの記録と真正コピーは、記録の完全性を保持しなければならないと言っています〔情報が全部揃っているということでしたね〕。オリジナルの記録の真正コピー、例えば紙の記録をスキャンしたような真正コピーは、オリジナルの記録の代わりに保存することができます。そのためには、コピーの完全性を検証して記録する文書化システムが条件になります。
(“..)φ;真正コピーがオリジナルの記録と同じであることを確認するにはどうしたらよいでしょうか?レビューすることですよね。誰が?それは、他のガイダンスに書かれています。一般的には、QAがレビューして、承認することを期待していますね。「このコピーは、オリジナルの記録Aの真正コピーであることを認めます」というように署名して記録を残すわけです。これが、文書化システムですね。原文では”…if a documented system is in place to verify and record the integrity of the copy.”と書かれています。ですから、そのコピー〔真正コピー〕を検証して、記録することを書いたSOPを作成することが期待されているわけです。”TRUE COPY”のスタンプ作りますか?”CERTIFICATE”のフロントページ作りますか?
このパラグラフでは、「オリジナルの記録が破壊された時のリスクについても考えておく必要がある」と結んでいます。
(“..)φ;ですから、リスクアセスメントをして、品質に影響するようなデータの破壊は、その対処法や予防法を文書化しておくとよいと思います。
<次号につづく>