GMPを勉強しよう-9-a new look at an old topicを読んで

またデータインテグリティの話。古くて新しい話題だ。ちなみにニュールックとは、カタカナで表現する方が良いように思う。意味的には温故知新でも、古き話題の新たな見方でも良いかもしれないが、ここは「ニュールック」でしょう。

MHRA査察官が共有している査察関連のブログを読んだ。これから3回シリーズでデータインテグリティについて書き込まれる予定だと言っている。

データは完全で一貫性があり正確であること(data is complete, consistent and accurate)というのは、データインテグリティの古典的な基本要素だが、改めてまた書き込まれている。

続いて、このようなことが書かれていた。

データインテグリティは、依然としてトップレベルの問題で、かつ重大な結果を招くことになる。実際にデータインテグリティというと意図的に操作されたものと思われるが、その大半は不適切な実践や組織的行動、貧弱なシステムが引き金になっている。

データ管理に対する組織的な文化やマネジメントの影響を低く見積もるべきではない。悪いデータもそれとして受け入れて、ある意味、組織全体で良い実践をとおしてデータインテグルティが改善される風土が培われる必要があるというようなことを言っている。これも新しいことではないが、品質システムの側面から会社全体の文化というか、風土というか、組織的なことを言っている。

このブログでは、データのライフサイクルについても語っている。すなわち、データ管理の成功要因は、データのライフサイクルを理解することであると言っている。データのライフサイクルは、元データの収集と記録、加工、使用、保管、検索、必要なら破壊をいう。この一要素でも失敗すると、他に影響するわけで、まんべんなく正しく取り組むことが大切だということだ。

さらにデータの重要性やそのデータ固有のリスクに相応するトレーニングや方針の実施、組織的かつ技術的な管理を行う必要がある。

重要な工程管理やバッチの出荷可否の決定に伴うデータ、長期安定性に関するデータは、製品の品質に影響を与えるので、とりわけ重要である。

データが生成される方法は、データインテグリティのリスクに影響する。データは、単純な装置から複雑な装置まで、コンピュータ化システムのデータをマニュアルで観察して、紙ベースの記録としてもよいので、データ操作することができてしまう。

製造業者は通常大きくて複雑なシステムのデータインテグリティやバリデーションに焦点をしぼり、その他の単純なシステムには注意が向けられない傾向のある。単純な機械はキャリブレーション程度でよいかもしれないが、ユーザーが設定可能なソフトにつながっているシステムは、ユーザーが出力を修正や破棄できるので、データインテグリティは重要だと言っている。

と言うようなことがブログに書き込まれていた。ここまで読んで、ニュールックらしいところを強いてあげれば、組織の文化を語っているところだろう。しかし、まだ序章なので、これからニュールックが出てくることを期待したい。

上記文章は翻訳ではない。文章を読んで、自分流にまとめたものなので、詳しく知りたい人は以下のサイトの原文を読んでみよう。
https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/2015/06/25/good-manufacturing-practice-gmp-data-integrity-a-new-look-at-an-old-topic-part-1/