Warning letter(320-19-10):OTC(中国):出荷判定試験;原料の確認試験;安定性試験;プロセスバリデーション;品質部門の責任と手順

投稿者: | 2019年2月20日

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国のOTC製造施設です。

指摘は、1)出荷判定試験; 2)原料の確認試験; 3)安定性試験; 4)プロセスバリデーション; 5)品質部門の責任と手順に関する5項目です。

このレターのなかにはデータインテグリティが疑われる記述がありますが、「データインテグリティ」という言葉は出てきません。査察期間が3日間と短いので、早々と結論が出されたように思われます。この地区でOTCに関すWarning letterは、今年度3通目です。

WL#: 320-19-10
日付: 2019年1月29日
発行オフィス: CDER
対象会社: Hangzhou Sunking Nonwovens Co.、Ltd.(中国)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2018年8月7日~9日
回答受理日:2018年9月24日
GMP違反:5項目
掲載サイト:

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm631451.htm

<指摘事項の解説>

1.この会社は、適切な市場への出荷判定の試験をしていませんでした。(21 CFR 211.165(a))

有効成分の同一性確認試験をしていませんでした。さらに、最終製品の試験結果の有効性についても、FDAは懸念しています。あるバッチの受託試験機関のレポートに記載された力価の試験と微生物試験(総菌数と総真菌数)の結果は、アメリカ市場に出荷されたバッチと同じだったということです。

(“..)φ:原文の文脈から判断すると、査察官が現場で見た報告書のバッチはアメリカに出荷したバッチと異なるが、試験結果が同一だったので、おかしいということになったと思われます。この場面が連想できますね。

 

2.次は原料の受入試験です。確認試験を実施していませんでした。さらに供給業者の試験結果の信頼性をバリデートしていませんでした。(21 CFR 211.84(d)(1)および(2))

これらのことを実施せずに、供給業者の分析証明書(COA)に頼っていました。

 

3.有効期間を適切な安定性試験によって裏付けていることが保証できませんでした。(21 CFR 211.137(a))

安定性試験プログラムがなかったという観察事項です。

 

4.製造工程管理の手順書を確立していませんでした。〔すなわち、プロセスバリデーションが正しくできていなかったということです〕。 (21 CFR 211.100(a))

具体的には、プロセスバリデーションを実施していませんでした。

 

5.適切な品質管理部門を確立していませんでした。(21 CFR 211.22(a))

品質部門の作業、バッチ出荷判定、変更管理、苦情、供給業者の適格性評価、改修、年次製品照査など、品質部門の機能に関する多くの手順書を作成していませんでした。 契約試験機関との取り決めもありませんでした。

(“..)φ:品質契約(quality agreement:訳にはいろいろご意見があると思います。ISOみたいに公的に認められた用語委員会のようなものがあって、そこで正式な訳を発表してくれると意思疎通に役立つとおもうのですが…)には、両者の役割、責任、手順が期待されています。古いアメリカの情報ですが、品質契約のハウツーはGMPの条文を一つ一つ見ていき、その要件を遵守するための両者の役割と責任を決めていくことだと書かれているのを読んだことがあります。一般的に、役割分担表のようなものが作成されます。これ、結構大切です!

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