FDA Warning letter(320-18-59):OTC受託製造(中国):出荷判定試験;原料の受入試験;安定性プログラム;バッチ製造記録の記入

今回の対象会社は、中国のOTC受託製造施設です。

 

指摘は、1)出荷判定試験; 2)原料の試験; 3)安定性プログラム; 4)バッチ製造記録の記入に関する4項目です。


WL#: 320-18-60

日付: 2018年6月26日
発行オフィス: CDER
対象会社: Foshan Jinxiong Technology Co., Ltd.(中国)
対象品: OTC医薬品(受託製造)
査察期間:2017年8月15日〜18日
回答受理日:2017年9月3日
GMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm612483.htm


 

<指摘事項の解説>

1.この会社は、出荷前に有効成分の確認と力価の試験をして、適切な判定を行いませんでした。(21 CFR 211.165(a))

この会社は、小児用のOTC医薬品の受託製造会社です。有効成分の同一性と力価のデータなしで

、出荷判定しました。ここで警告書が出たのは、製品の規格をアップデートしたものの、出荷判定のための試験の要件を述べていなかったためです。

(..)φ;それだけではないでしょうが、回答書を見て「これはボランタリーで改善できない」と判断したのだと思います。

 

2.この会社は、OTCでよく指摘される、コンポーネントの確認試験と、供給業者の試験の信頼性のバリデーションをしていませんでした。 (21 CFR 211.84(d)(1) & (2)).

(..)φ;警告書の分析者は、異口同音でこの指摘事項を注意しています。いろいろな文献で見られますので、OTCの会社は見直しお願いしますね。

この会社は試験をせずに、適格性評価をしていない供給業者のCoAを信頼しているため、入荷原料の試験に欠陥があったわけです。

 

3.この会社は、安定性プログラムを確立していませんでした。 (21 CFR 211.166(a)).

安定性データを持っていなかったようです。ラベルの有効期間を保証するために、化学的かつ微生物学的評価が必要だったようです。

この会社は36ヶ月まで安定性試験を実施すると回答したのですが、安定性の手順の要件に有効成分の含量試験が入っていなかったとのことです。

 

4.この会社は、バッチ製造記録の記入が不完全だったようです。(21 CFR 211.188)

バッチ製造記録には、原料のロット番号や製造装置の識別がされていなかったという点で、不適切であるという評価を受けました。

(..)φ;グッド・ドキュメンテーション・プラクティスの問題ですね。