FDA Warning letter(CMS# 558815):水システム;微生物試験;調査;品質部門;データインテグリティ

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、アメリカの経口液剤製造施設です。

指摘は、1)水システム; 2)微生物試験; 3)調査; 4)品質部門; 5)データインテグリティに関する5項目です。

WL#: CMS# 558815

日付: 2019年3月28日
発行オフィス: New Jersey District Office
対象会社: RIJ Pharmaceutical LLC(アメリカ)
対象品: 経口液剤
査察期間:2018年4月3日~13日
回答受理日:2018年5月4日
GMP違反:5項目
掲載サイト:

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm635684.htm

<指摘事項の解説>

1.適切な製造および工程管理手順を確立していない。(21 CFR 211.100(a))

水システムについて指摘されています。微生物のアクションリミットを超えた水を経口液剤の製造に使用していました。基本的に設計に欠陥があり、バイオフィルムの形成が複数の場所で見られました。また、システムの上流では高いバイオバーデンが観察されています。このような水を使用することは、患者に高いリスクを追わせることになるとして、水システムの設計の欠陥を指摘しています。

 

2.試験手順を含む試験室管理が確立されていませんでした。(21 CFR 211.160(b))

微生物試験法は、適切にベリフィケーションまたはバリデーションがされていませんでした。ここでの商店は、最終製品の中の病原菌を検出できる試験法であることを証明していなかったことです。

その他、不純物試験をしていなかったことも指摘されています。

 

3.十分なフォローアップ調査が実施されていませんでした。(21 CFR 211.192)

出荷しなかったバッチに対する調査が徹底されていませんでした。また、苦情(シロップ剤の異臭)に対して安定性の調査をしていないことも指摘されています。それに関連して、CAPAが不十分であることも指摘されています。

 

4.品質部門の責任と手順を確立していませんでした。(21 CFR 211.22(d))

 

品質部門のレビュー、安定性調査、製造指図書原本の改訂などを怠っていたことが指摘されています。実施前に処方変更に関する評価をして、品質への影響に関する文書化しなければならないと具体的に指摘しています。

(“..)φ:変更管理→インパクト評価

 

5.試験記録に完全なデータを含んでいませんでした。(21 CFR 211.194(a))

HPLC分析の中断や〔記録の〕削除が行われていました。

(“..)φ:これはデータインテグリティの問題であることがすぐわかりますね。