FDA Warning Letter(320-18-56):無菌OTC(台湾):微生物試験のデータインテグリティ;安定性プログラム;年次製品照査

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、台湾の無菌OTC製造施設です。

指摘は、1)微生物試験のデータインテグリティ; 2)安定性プログラム; 3)年次製品照査に関する項目です。

(..)φ;このところ、微生物試験に関するデータインテグリティの指摘が増えてきているように感じます。だから、今回はそれだけをフォーカスしてみました。


WL#: 320-18-56
日付: 2018年5月31日
発行オフィス: CDER
対象会社: Taiwan Biotech Co., LTD. (台湾)
対象品: 無菌OTC
査察期間:2017年9月1日~11日
回答受理日:2017年11月2日
GMP違反:3項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm609829.htm


 

<指摘事項の解説>

1.この会社は、無菌工程区域の適切な環境モニタリングシステムを確立していませんでした。(21 CFR 211.42(C)(10)(IV))

無菌OTCに関する環境および人のモニタリングのアラートを調査に問題がありました。

ISO 5(クラスA)とその周囲のISO 8(クラスC)の清浄区域の環境モニタリングの平板からアクションリミットを超えるものが数個見つかりました。しかし、その調査は開始されていませんでした。

2017年9月6日に査察官は、2017年8月30日と31日の環境と人の微生物モニタリングサンプルを入れた容器を見つけました。多くのサンプルは、基本的な記録が欠けていました。たとえば、コロニー数(CFU)、検体採取者の識別などです。査察官がリクエストすると、この会社は平板のCFUを提示しましたが、いくつかの平板はアクションリミットを超えていました。しかし、その調査を開始していませんでした。例えば、ISO 5区域のサンプルは140 CFUと非常に高いものもありました。

査察中に査察官がこのことを発見したため、この会社は記録していない微生物の発育に関する調査を廃止しました。そして、2017年9月7日に調査のコピーを提出しました。

環境モニタリング平板の正確な報告がなかったこと、その後でデータが提示されたこと、未報告のデータが出るようなシステムの欠陥があることなど、この会社が生成したデータのインテグリティに関する疑問が持ち上がりました。

その他、必要な表面モニタリングのサンプリングもされていませんでした。この状態は、1~2年続いていたとのことです。

 

2.この会社は、適切な安定性試験プログラムを実施していませんでした。(21 CFR 211.166(a))。

安定性プログラムの時間間隔で実施していませんでした。

 

3.この会社は、年次照査を行うための記録を保持していなかった。(21 CFR 211.180 e))。

この会社の年次製品照査(APR)は、米国に出荷されたバッチと関連する逸脱調査のみを評価していました。同じ製造工程で製造し、米国以外の国に出荷されたバッチは含まれていませんでした。