FDA Warning letter(320-18-48):製剤(インド):確認試験(グリセリン);品質部門;装置;製造環境

投稿者: | 2018年5月16日

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、インドの製剤製造施設です。

指摘は、1)入荷原料の確認試験(グリセリン); 2)品質部門の責任と権限; 3)装置; 4)製造環境管理に関する4項目です。


WL#: 320-18-48
日付: 2018年4月24日
発行オフィス: CDER
対象会社: Goran Pharma Private Limited(インド)
対象品: 製剤
査察期間:2017年11月13~15日
回答受理日:2017年12月15日
GMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm606231.htm


 

<指摘事項の解説>

 

1.この会社は、供給業者から受け取ったコンポーネントの確認を保証ししていませんでした。コンポーネントは、いろいろな供給業者からの有効成分や添加剤を含んでいます。(21 CFR 211.84(d)(1)&(2))

 

要するに原料受入の確認試験を実施していませんでした。供給業者からの分析証明書(COA)に基づいて使用可の判定をしていたわけです。さらに、供給業者の分析結果の信頼性のバリデーションも実施していませんでした。

例えば、グリセリンの各ロットに対して、ジエチレングリコール(DEG)やエチレングリコール(EG)の検出試験をしていませんでした。

(“..)φ;米国では欧州のように原料の全数確認試験は要求していません。しかし、グリセリンに対しては全容器の確認試験をするように、また不純物の試験をするように記載したガイダンスを発行しています。ガイダンスですので、GMPの直接要件ではありません。一般に業界標準として扱われるもので、カレントGMPに当たります。この場合、ガイダンス記載事項と同等以上の保証ができれば指摘されません。しかし、この会社ではそれができなかったため、FDAの好みであるカレントGMPが遵守できていないということで警告書になったのでしょう。

この会社は、「自社での試験結果を供給業者のCOAと比較して試験の信頼性を確認する」と回答しています。しかし、無期限で試験するかどうか、または最初に一連の試験で供給業者の試験結果の適格性を確認して、適切な間隔で試験を続行するかが記述されていないため、不適切な回答と判断されました。

さらに重要なことは、市場に配送された製品のDEGやEGの回顧的な試験を行ったかどうか記述されていないことです。(“..)φ;これが最もリスクがあるところです。回顧的な対応は必須事項です!

 

2.この会社の品質管理部門(QCU)の責任と権限が不適切でした。(21 CFR 211.22(a))

 

品質部門は、全ての製造および管理記録をレビューすることなく、バッチを出荷判定しました。具体的には、微生物試験の完了前に、2バッチを出荷したと述べています。バッチ出荷判定のSOPは、このようなことが許容した記述になっていたとのことです。

この会社は、SOPを改訂して提出しましたが、FDAからダメ出しされました。このSOPは、緊急の場合に「販売用ではない」というCOAをつけて、代理店の倉庫に製品を配送することができるように書かれていました。FDAは、これをQAが試験完了前にレビューして、最終製品を出荷することができると判断しました。さらにこのSOPは、不合格結果が得られた場合は、配送代理店から回収・撤回を実施するとも書かれていたそうです。

 

3.この会社の装置は、不適切でした。(21 CFR 211.63 )

 

システムは、適切に設計されていませんでした。具体的には、「滅菌済み」●には、デッドレグのある●配管が含まれていたそうです。これは、バイオフィルムの形成を促すため、不適切であるという判断です。

さらに、培地の不適切な保管、培地性能試験の欠如、陽性コントロールの欠如など試験室管理に欠陥があり、バイオバーデン検出や微生物限度試験に信頼性を欠くと言っています。

回答書はシステムを改善すると言っていますが、そのバリデートの方法が書かれていないため、FDAは不適切と判断しました。

 

4.この会社は、医薬品の製造に適した気圧、微生物、埃、湿度、温度を管理する装置を設置していませんでした。(21 CFR 211.46(b))

 

製造区域(充てん、包装)と倉庫は、空気処理システムがなく、温湿度管理やモニタリングがされていませんでした。そのため、医薬品が30℃以上の温度にさらされる可能性があり、暑い時期には施設が50℃に達する可能性があるとのことでした。(“..)φ;わぁ暑そう。

もちろん、温湿度管理や空気処理システムなしで医薬品を製造することは許されません。原材料、中間製品、最終製品の品質に悪影響を与える可能性があります。

 

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